2016年6月14日火曜日

感想&書評「ミシン:嶽本野ばら」(ネタバレ注意)感想レビュー・パンクバンド「死怒靡寫酢(シドヴィシャス)」のボーカルであるミシンに一目惚れします。 #Novel

ミシン 嶽本野ばら デコボコ友情ストーリー

「ミシン」は嶽本野ばらさんのデビュー作です。
一緒に収録されている「世界の終わりという名の雑貨店」もいいですが、私は表題作の「ミシン」が好きです。
主人公は何をやっても冴えない女の子で、世の中の流行等にも疎いです。
そんな子がたまたまテレビで観たパンクバンド「死怒靡寫酢(シドヴィシャス)」のボーカルであるミシンに一目惚れします。
主人公の女の子は男性が嫌いで、お付き合いをするなら女性と、吉屋信子さんの世界のような「エス」の関係を築くことを理想としていました。
といっても、内容は友人関係に近いものです。
以来、ミシンのことを知りたい一心で音楽雑誌を購入するようになったり、同じブランドの洋服を購入して着用したり、ライブへ行ったり等しているうちにひょんなことからミシンに近付くきっかけが訪れます。
その過程が小説ならではなのか、とんとん拍子に上手く事が運ぶところが面白いし、何より主人公のドジっぷりとミシンの性格がすごくて読んでいるうちにストーリーに引き込まれていきました。
ラストは衝撃ですが、そこに至るまでにミシンの素性も少し明かされているので、目が離せません。
何度読んでもあり得ない設定だとは思いますが、だからこそ何度も読める作品なのかもしれません。

ありがとう寄稿。

暗渠の宿は、西村賢太による私小説作品です。西村賢太のデビュー作品である「けがれなき酒のヘド」が併録されています。これもおもしろい。
感想・書評「暗渠の宿:西村賢太」ネタバレ注意・内容は、中学卒業後、家を出て日雇いの肉体労働でギリギリの生活を送る主人公(レビュー)。 #読書 | アフィリエイト収入で生活したいブログ。

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