2016年7月7日木曜日

感想&書評「獣の奏者(上橋菜穂子)」(ネタバレ注意)感想レビュー・主人公エリンの波乱万丈な人生そのものを描き切ったファンタジー大作。 #Novel

獣の奏者(上橋菜穂子)は、主人公エリンの波乱万丈な人生そのものを描き切ったファンタジー大作です。

NHKでアニメ化、漫画化もされました。
小説は全4巻からなるのですが、実はアニメはこのうち2巻のみでし。た。元々は全2巻だったため、勿論それだけでも衝撃の冒頭から最後に描かれる獣とエリンの友情の集大成に至るまで心を踊らされまくります。ただでさえファンタジー小説家として有名な作者の上橋さん。そこから紡がれる文章に流れる空気感、女性そのものを感じられるやわらかな文体。そして壮大かつ深く練られた物語の背景。上橋さんの作品には一貫していて、獣の奏者も例にもれずそういう作品です。
ただ私は中でもこの獣の奏者が好きです。
それは、付け足されたもう2巻によってでした。
そもそも生まれ・育ちから運命に翻弄されるエリンですが、やっと落ち着いた家庭を手に入れ国家の支配から逃げていたところから始まります。
再び国家の存亡の危機に、それも王獣たちとともに立ち向かわなくてはいけなくなったエリン。1,2巻で明かされなかったこの国の根幹にある真実。
待ち受ける、哀しくも納得させられてしまうラストシーン。
もう一度、エリンは奏者になります。
アニメでしか知らないという人、全く知らなかったという人。ぜひ読んでみてほしい作品です!

ありがとう寄稿。

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