2016年7月28日木曜日

感想・書評:小説「響け! ユーフォニアム:武田綾乃」ネタバレ注意・全4巻なのですが、本編は3巻で残りの1冊は番外編(レビュー)。 #読書

響け! ユーフォニアム 武田綾乃 熱くなるって素敵な事さ



アニメ化もされた響け! ユーフォニアムの小説を買いました。
この小説は、弱小の吹奏楽部が舞台です。弱小で全国大会なんて夢の夢だった吹奏楽部が、一人の有能な指導者の登場によりメキメキと実力を上げて夢の夢だった全国大会を目指す「青春小説」になっています。
この小説は全4巻なのですが、本編は3巻で残りの1冊は番外編というくくりになっています。
本編部分の3巻にはそれぞれ主役がいて、1巻ではそれまでのなあなあだった部活方針から実力主義に変わり、「スーパールーキー」によって3年がソロパートを奪われた結果の騒動を描いています。それまでソロを担当していた生徒は他の生徒にも慕われていた人物で実力もありそんな人物からソロを奪ってしまった1年のスーパールーキーの孤独、今まで通りのなあなあなら年功序列で先輩でもいいかもしれない、でも少しでも上を目指すなら1年がソロをという、実力か情を取るかという難しい選択を1冊使って描かれています。
私も読んでいた時、やっと自分のソロの番が訪れたのに急に方針が変わりそれを1年に奪われる3年の心情を思うと切なくなりました。
「実力と情」のどちらかを取るか選ばせるなんて生徒には難しい選択だなと。
2巻でも今度は2年生の問題が描かれ、集大成の3巻では吹奏楽部の副部長であり実質的な部のまとめ役、「天才」のあすか先輩の騒動が描かれています。
あすか先輩は前2巻でも意味ありげな言動をとり続けたり、どこか大人びて冷めた表情をしたり「何かある」と思わせる生徒なんですが、この先輩の秘密が描かれそれまで順調だった部に最大の試練が訪れます。
あすか先輩が抱えているものは学生と言われる人間が背負うにはあまりにも重く、辛いものです。
今まであまりあすか先輩に良い印象を持ってなかった人でも、3巻を読むとその印象が変わると思います。
タイトルが実はあすか先輩と深い関わりがあるという事も判明し、「真の主役はあすかだった」と言われるほどあすかの魅力が凝縮された感になっています。
そして、あすか先輩の事情が明かされると共に、吹奏楽部の全国大会の結果も判明します。
まさに集大成というにふさわしい3巻になっています。
出ている巻数は4冊ですが、1巻だけで終わらずに全4巻一気に読んでほしいですね。
自分にもあった青春の熱さを、ぜひ感じていただきたいです。

ありがとう寄稿。

雲ひとつない真っ青な空。少ない雲の青空。ずーっとどこまでも続いていき、吸い込まれていきそうに澄んだ空です。
私の秋の気配~澄んだ空と食べ物と運動会・2014年秋が来る。 #Autumn - みんなの政治経済ブログ。

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