熱い感動のドキュメンタリー「アンヴィル! ~夢を諦めきれない男たち~」(スティーヴ・クドロウ主演)
かつて80年代に日本の西武ドームで開催されたメタルイベントの中にアンヴィルというメタルバンドが出演していました。そのとき競演したバンドにはボンジョヴィやホワイトスネイクやスコーピオンズなどその後大ヒットを飛ばした早々たるメンツがいました。しかしアンヴィルはその後一体どうしているのか・・・・?
この作品は現在50代になってもロックスターを夢見て活動している彼らを追ったドキュメンタリー作品です。
大勢の観客の前でライブをしていたアンヴィルのメンバーが今では給食配達をしているという冒頭のシーンがまず衝撃的です。西武ドームで大勢のファンの前でライブしてた人が今こんな仕事をしているというのはファンにとってはにわかに信じられない光景なのではないでしょうか。
そんな今では音楽で食えず地味な仕事をせざるを得ないアンヴィルを讃えるコメントをしている面々の豪華さにさらに驚かされます。
メタリカのドラマーのラーズ・ウルリッヒ、モーターヘッドのレミー、ガンズアンドローゼスのスラッシュ、スレイヤーのトム・アラヤなど、メタルファンにとっては驚くような早々たる大物メンツばかりが次々とアンヴィルを讃えているのです。そんな大物たちに認められてるアンヴィルがヒットしなかったのはラーズ・ウルリッヒがコメントしてるとおり「何かがうまく伝わらなかった」からなのかもしれません。
今でもロックスターになりたいと夢見る彼らにツアーの話が来て、普通に生活してたらアンヴィルの存在は忘れ去られてしまうと危機感を抱いてたメンバーはチャンスを掴もうとヨーロッパツアーに出かけます。
最初は順調でしたが途中ではトラブルの連続で電車に乗り遅れたり、ドイツでは連絡の行き違いでライブがキャンセルになったり、チェコではライブ会場に遅刻してギャラを払わないと言うライブハウスのスタッフと喧嘩になったり、1万人入るはずのルーマニアのフェス会場には100人ちょっとしか観客が来ないなど散々な目にあったりします。
ジャンルは違えどバンドマンならツアー中に似たようなトラブルを抱えた経験がある人も少なくないのではないでしょうか。トラブルのシーンはバンドマンなら共感できる見所かもしれません。
起死回生のはずのヨーロッパツアーはろくにギャラももらえず契約したいというレコード会社も一社も来ないというひどい有様で、帰国後はまた地味な給食配達の仕事に戻ってしまいます。
次の手を打つべくかつてタッグを組んでた敏腕プロデューサーと再びタッグを組み新作アルバムを製作しレコード会社に売り込むもいまどきこんな音じゃ売れないと断られ、メンバーたちは憤り途方に暮れます。
しかしそんな時、日本からフェスの出演依頼があります。そのフェスとは日本のメタルファンにはおなじみになっているメタルフェスのラウドパークでした。
オファーを受け日本に乗り込むアンヴィルの面々でしたが、出演時間も午前中ということでまた観客席はスカスカなのではないかと出演前の彼らはヨーロッパツアーの失敗を思い出して不安に駆られます。
しかしいざステージへとあがると、そこに待っていたのは彼らの予想をはるかに越える大勢の日本のファンでした。
彼らの不安をよそに待っていた日本の熱いファンたちのおかげでラウドパーク出演は大成功に終わり、ライブ後に繰り出した渋谷のスクランブル交差点ではしゃぐ彼らの姿で映画はエンディングを迎えます。
映画が日本でのライブ映像に始まり、そして日本で終わるというのが印象的であり、一般的にはそれほど浸透していなくてもアンダーグラウンドなところでまだまだ根強い日本でのメタル人気とアンヴィルとの絆が感動的で、まるで一つのおとぎ話のようにも見えてきます。
余談ですがDVD購入者の特典映像として80年代にアンヴィルのライブを観ていた日本のファンのおじさんが約20~30年ぶりにアンヴィルのライブを観てメンバーと抱き合って号泣するシーンがあり、もしDVDを買った人はその熱いファンっぷりをぜひとも観てほしいところです。
アンヴィル SMJ(SME)(D) 2010-04-14
ありがとう寄稿。
自分の世界を壊されたくないと思う大介なのに、大介をしたってくる田中莉奈にはついつい優しくしてしまいます。
家族のカタチ6話/ドラマ感想・人間嫌いの永里大介、それに対して父親の陽三は人と話すのが好きで友達も多く(ネタバレ注意)。 #DRAMA - 面白い漫画を教えてください。