松村栄子『雨にも負けず粗茶一服』は茶の湯をテーマにした青春小説
松村栄子の『雨にも負けず粗茶一服』はだらしのない茶道の家元の息子が家出をし、京都でその土地の茶人に出会い、でさまざまな困難を経て成長していく物語です。何よりもキャラクターが面白いです。皆どこかおかしくて憎めないです。有能なのに行動がおかしかったり、性格が変だったり。こういうキャラクターは純粋な大人向けの小説だと見かけないのでうれしいです。はっちゃけっぷりがくせになる人たちで、とてもかわいらしいです。
もちろん作品の中の茶の湯の考察も本格的でためになります。家元という存在の難しさや古い文化の風習についても考えさせられます。そんな凝り固まった世界をだらしない主人公が成長しつつわたっていくのが面白い小説です。まじめな主人公なら愉快な話にはならなかったでしょうね。
中高生向けのジュブナイルではありますが、大人でも楽しめる小説です。茶道に興味のある方、とにかく笑えて元気になる小説が読みたい方におすすめです。
ありがとう寄稿。
結果的にはいぬばかの連中が集まる温かい店になっているのがかなり印象にも残るものです。
いぬばか1巻第7話「小さな命のために・・・」(桜木雪弥)感想&あらすじ・リッキーが残してくれたチワワでもあるのです…ネタバレ注意。 #マンガ - みんなのブログ。