2016年6月21日火曜日

感想&書評「近代能楽集(三島由紀夫)」(ネタバレ注意)感想レビュー・不思議な世界観の戯曲集です。夢中で読みました。 #Novel

近代能楽集(三島由紀夫)不思議な世界観の戯曲集です。夢中で読みました。

三島由紀夫の作品に触れるのはこれが初めてです。
純文学と言えば夏目漱石くらいしかまともに読んだ事がありませんでしたが、三島由紀夫の作品はとても読みやすくスルスルと読み進める事ができました。
能楽のシナリオを三島由紀夫の時代に置き換えて制作されているとの事です。
私は元となっている能楽の内容は知りませんが、それでも楽しんで読む事ができました。
特に気に入っているのは「卒塔婆小町」です。
怪しい雰囲気の老婆が詩人である青年に不思議な幻想を見せて、最終的には命を奪ってしまうと言う衝撃的なあらすじです。
舞台脚本として執筆されているので、読みつつもどの人物がどのように舞台の中で動き回り、どのような身振り手振りをして演技をしているのかを想像しながら読むのがかなり楽しかったです。
もちろん有名な作品ですから有名俳優が舞台で演じたりしている訳ですが、自分の想像と実際公演された舞台の内容にギャップがある事もあり、比較するのが面白いと思います。
戯曲集となっているので他に何編かありますが、どのエピソードも最後が衝撃的だったり叙情的でじんわりと心に残る話が多い印象でした。
三島由紀夫を読んだ事がないけど、興味があるという方にお勧めしたい1冊です。

ありがとう寄稿。

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