落下する夕方(江国香織)は魅力がある主人公に思わずほれて、何回も読みたくなる本です。
8年間同居しているカップルであるリカと健吾。ある日健吾はリカに別れを告げてこの家から出て行くことを宣言します。リカより好きな女ができたと言い、まだ片思いだけどその気持ちでリカとは付き合えないと言います。結局健吾は家を出て行くけど、ある日健吾が片思いしている相手である華子がリカと一緒に同居したいといいリカの家に入ってきます。
それでリカは最初どういうつもりで自分の家に入ってきたか理解できなかったけど、どんどん華子に人間的に引かれて二人は友達になります。
普通の人が考えたらあり得ないことだと思うけど、華子は少し変わっている性格で、変わっていると言われるくらい自由な人でした。リカはそんな華子の魅力と存在感を一緒に住んでいるうちにわかります。自分が8年付き合った健吾、そして健吾の親友まで華子のことが好きで、また家まで華子に会いに来る男たちなど華子は色んな男が関係している人でした。色んな男に愛される華子なのに結局華子自分自身が本気で愛している人は一人もいないです。
この本の内容はもしかしたら刺激的なところがあるかも知れません。
他の人が好きになり8年付き合った彼女と別れた男の人、そんな彼氏が現在好きな女の人。そして自分のことがもう好きではないといわれ捨てられた女の人。その3人が主人公の話。普通の人からは理解できないストーリでこういうことも起きるのかなと自分には絶対におきないでほしいと望んでしまう話の本を私が好きなのはたぶんそういう恐ろしい話だからこそだと思います。
自分にはおきないでほしいと思う、でももしかしたら自分にそれか誰かにもうおきていることなのかもしれない、現実感がなさそうに見えてもしかしたらあり得る話だと思っているかも知れないというこの本の微妙な魅力にはまってしまったかも知れません。
魅力があり色んな人に好かれる華子の存在、でも自分が好かれる理由も知らない、自分が好かれていい人間なのかも知らない彼女は愛されながら結局根本的な寂しさからは抜け出せません。この作品を呼んで少しうつになったのはもしかしたら私も結局寂しい人間だと思って生きているからかも知れません。
結局人は愛と言う感情を求めながら生きているんだと思います。でも、最も大事なのは愛をされることだけではなく、自分も誰かを思い切って愛せるのかでは内科と思いました。愛をされてもいつまでも自分のそばにいてくれると言う確信がない、でもその恐れによって自分も誰かを思いきって愛せることができなくなっているのではないかと思いました。この本が好きな理由は作品の主人公の誰かか自分に似てるという共感ではなく、その三人の主人公の愛し方や生き方が自分に似てると共感できたからではないかと思います。危ういな日常の中を生きていく人たち、本の中の設定は極端すぎるけどもしかしたらこの世の中に住んでいる自分もそんな毎日を過ごしているのではないかと思いました。
ありがとう寄稿。
日本人クリスチャン小説家として名高い遠藤周作の代表作。江戸時代初期、苛烈なキリシタン弾圧が行われていた時代に密入国したカトリック宣教師の物語です。
感想・書評:遠藤周作『沈黙』ネタバレ注意・クリスチャン小説家による迫真の宣教師物語(レビュー)。 #読書 | みんなのレシピ・お料理ブログ。