2016年4月8日金曜日

感想&書評「タルト・タタンの夢(近藤史恵)」(ネタバレ注意)感想レビュー・おいしいフランス料理が食べたくなること必至のミステリー小説。 #Novel

タルト・タタンの夢(近藤史恵)はおいしいフランス料理が食べたくなること必至のミステリー小説です。

小さなビストロを舞台とした、決して愛想が良いとは言えないシェフが深い洞察力と人間味のある想像力とでお客や従業員にとっての事件の謎を解いていく短編小説集です。
どのストーリーも一話で完結するので読んでいて飽きることがありません。ミステリー小説初心者でも楽しく読み進めることができるでしょう。
また、どのストーリーにも謎解きに深くかかわる料理が一品必ず登場しますが、その料理の描写が実に見事で、読み進めていくごとに料理の香りが漂ってくるような心地になります。まさに垂涎ものです。フランス料理をほとんど食べたことがなくても、「いいからすぐにビストロに連れて行ってくれ!」と言いたくなるほどです。
シェフがいつも謎を解いてきますが、あくまでもギャルソンである「ぼく」の目線から語られていきます。その「ぼく」が控えめで出すぎないことが、この物語をより味わい深くしている気がします。「ぼく」以外の登場人物はそれぞれとても個性豊かで特徴的なのもまた魅力的です。
タルト・タタンの夢でビストロ・パ・マルの世界に夢中になってしまったら、ヴァン・ショーをあなたにという続編も出ているので、こちらもおススメです。

ありがとう寄稿。

やはり仙太郎とバク先生は一緒にいるのが落ち着くものです。仙太郎自身も最後にはきちんと帰ってくるものです。
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