本のタイトル:図南の翼 著者名:小野不由美 異色の「勇者」の物語で、とても感動しました。
この物語は、12の国に分かれ、それぞれに天命を受けた王によって統治されなければ荒廃して行く運命を背負った世界です。主人公はその内のひとつ、「恭(きょう)国」にある首都・連檣の商家で何不自由なく育った12歳になる娘=「珠晶(しゅしょう)」。
王はその国の住人の中から、黄山(こうざん)に住む霊獣「麒麟(=この国の麒麟は恭麒)」が選ぶことになっているのですが、
恭国は王が死に、統治が無くなって30年余り経つも、麒麟は王が見つけられず、そのために天災や凶暴な妖魔の出現する荒廃しつつある国です。
主人公の友達も妖魔に襲われて亡くなる者もいて、珠晶はそれも内心嘆いています。
国の大人たちのほとんどは「王になど成れるわけはない」とか、麒麟に謁見する為の危険極まりない長旅を恐れて行動を起こそうとはしない。
その大人たちに物申すため、ある日、珠晶は家を抜け出し、麒麟の居る黄山を目指します。
王になるつもりなど無いが、黄山へ行って復ってきて「子どもにも出来ることをなぜ大人たちはやらないのか!?」と言ってやりたいために・・・という話です。
宿で出会ったやや怪しげな男・猟尸師を自称する朱氏(=国を持たぬ民族の名)の「頑丘」、
珠晶が旅の途中で出会った青年「利広」、王の資質を試すために昇山(=黄山へ出向く事)する豪商の「室季和」とその随従たちの隊と出会い、
いっしょに旅することとなります。
途中で珠晶、頑丘(=金で雇われ、案内役)と室季和たちは別れますが、
その後、室季和一行は凶暴な妖魔に襲われ、珠晶たちの方へ従者を見捨てて逃げてきます。
珠晶はそれを知り、室季和の従者たちを救うべく独り、行動を起こします。
もちろん、自身に妖魔と戦うような力は無いのですが、知恵を働かせ、従者たちの安全を確保しながら導きます。
最後、瀕死の妖魔に巻き込まれて一行と離ればなれになってしまいますが、
その後、探しに来てくれた頑丘や利広、「旅人の守り神」と呼ばれる仙「犬狼真君(けんろうしんくん)」と出会い、難を逃れます。
犬狼真君と分かれたあと、恭国の麒麟=恭麒が仙女たちを引き連れ、珠晶の前に跪き「お迎えに上がりました」言います。
珠晶は驚くものの、次に出た言葉は「何でもっと早く迎えに来なかった!!」と怒ります。
これは、麒麟がもっと早く「王」を見つけていれば、国が荒れずに済んだかも知れないのに、という悔しさから出た言葉のようです。
王としての資質を示した「珠晶」は恭国の王「供(きょう=国の名と字を変えた国王の名)」と成ります。
勇気と慈愛を持った「勇者」の物語です。
ありがとう寄稿。
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